Yoon-Woo Lee氏

 1998年第3四半期から,64MビットDRAMの市場投入が成功したことにより,低迷するDRAM市場において,利益を確保できた。また,DRAM価格の低下を食い止めるため,われわれは1998年6月から5カ月間にわたり毎週DRAM製造を一時的に中断した。この製造中断によりDRAMの生産量は全生産能力の1/3に抑えた。これによりDRAMのスポット市場価格を,64MビットDRAMは10ドルに,16MビットDRAMは2~3ドルに戻すことができた。

 われわれの今後の戦略は,メモリーとロジックLSIのバランスをとることである。その中でも,メモリー分野では,大容量,高速のDRAM,SRAM,フラッシュ・メモリーなどの高性能,高付加価値の市場を狙う。ロジックLSI分野は,マイクロプロセサとシステムLSIの二つに焦点を絞る。

 1999年は,世界のメモリー市場のリーダーとしての地位を堅持する。生産効率の向上,チップ縮小技術などによって実現していく。1998年4月には,200mmウエーハで初めて256MビットDRAMの製造に成功している。これによって,一般的な製造ラインで次世代のDRAMを量産できることを示した。1999年には600億円(5億米ドルを120円/米ドルで換算)と言われる256M DRAMの需要に応えるための量産体制は着々と整っている。

 ロジックLSI分野では,Cu配線技術,多層メタル配線技術のプロセス技術を導入して強化を図る。ロジックLSI事業を支える柱がマイクロプロセサとシステムLSIである。特に,マイクロプロセサでは「Alpha」プロセサが重要である。1998年には最新の「Alpha21264」を発表している。1999年はAlphaプロセサの売上高を120億円(1億米ドル)と見込んでいる。(談)


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